2次会「アイドル論対決」

 夕食兼懇談。と、ここでO氏vsR氏による、思いも寄らぬアイドル論対決が勃発しました。2人とも、完全なる在宅派アイドルファンで、アンチイベント。握手会やサイン会など、アイドルとの交流の場を、真っ向から否定する点では全く一致。

 その理由は「アイドルは遠きに在りて想うもの」。O氏曰く、現在のアイドルとアイドルファンとの距離の近さは異常。安易にイベントを、それも規模が小さく、ファンとの距離があまりに近すぎるものを乱発。必然ファンは固定され、やがて馴れ合いへ。

 例えばアイドルが、イベントに来た人ファンに対し「○○さん、おひさしぶり」といったように、ファンの顔を覚えてたり。例えばファンが、なにかにつけアイドルにプレゼントを持っていったり。と、私も同意。

 これらは、そのアイドルに新しく興味を持った、ライトで純粋なファンを完全に引かせる事象といっていいと思います。なんだ!?この馴れ合い、胡散臭さ。そして大きな疎外感。結果的に、固定ファンによる独占により、新規ファンの参入を妨げ、そのアイドル自体をますますマイナー化していく原因となっているようです。

 「そもそもアイドルとは、理想であり幻想であり、ファンと近すぎてはいけない。手が届くものであってはいけないし、手が届きそうと思えるものであってもいけない。アイドルとファンとの関係は、知り合い・友達であってはいけない」とは、古いタイプのアイドルファンを自称するO氏。

 そんなこんなで2人の結論は「一部現場派ファンの姿勢に疑問」ということ。自分が1番の応援者・理解者であると信じ、何冊も写真集を買ったり、何枚もDVD買ったりすることで、イベントに入り浸るファン。しかし、その実態を客観視すれば「かなり可愛い女の子と『友達』として、お金を介してつながっている」に過ぎないといえるのではないでしょうか。まあ、それ自体思い込みであり、つながっていると思ってるのはファンの側だけなのかもしれません。

 よって、こういうのが嫌だから、そんな憧れのアイドルとの距離が異様に近くなり、同時に勘違いが横行するような現場には行かない。と、ここまでは2人完全に一致したのでした。しかし、「アイドルを好きになる理由・きっかけ」で真っ向対立。

 「アイドルを好きになる基準・きっかけは?」に、私は「顔(ルックス)」と即答。で、O氏は「心」と断言。私の意見は単純で「可愛ければ、顔が好みならばそれでOK」。「イベントに行くわけでもないし、付き合うわけでも、まして結婚するわけでもない。よって、性格なんて関係ない。どんなに性格が悪くても、頭が悪くても、単に写真集とかDVDで見てるだけなんだから、顔が全て」

 これをさらに突き詰めると、私にとって、お気に入りのアイドルとは「理想投影のための材料」。「器」「入れ物」であり、人格などは不要。最低限の情報(ルックス&ちょっとした性格付け)さえ提供してくれれば、それを元に「入れ物」である実体(アイドル)に、性格とか物語を勝手に創造・付加していく感じ。

 こうして「好きなアイドル」=「理想のアイドル」ができるんですが、その「アイドル本人」と「作り上げた理想体」のズレを、なるべく『知らない』ようにため、演じていると認識できる主演ドラマやDVD、静止画である写真集など以外、本人の性格・素がちょっとでも出ちゃうブログや、出演するトーク番組、雑誌のインタビュー記事は極力見ないし、イベントにも行かない。変に情報が入ると、理想が崩れちゃうから、といったところです。

 対するO氏は心を重視。この点、イベントを否定し、アイドルとファンの距離の近すぎを問題視するO氏にしては、矛盾ではないかと私が突っ込む。「だって、イベント行かないし、遠くで眺めてるだけでいい。映像で、写真で見てるだけでいいんなら、心なんて関係ないのでは?」。これにO氏答えて。「自分好みのフィーリングというか、考え方がしっかりしてる、『アイドルに多い軽くてバカ』じゃない子こそ、ファンになる」とのこと。

 私の場合は100%ルックスから入ってファンになるんですが、O氏の場合は、バラエティ番組でのトーク、雑誌のインタビューを見て、「心」の気になる子をピックアップ。やがて、顔はとくに重視せず(まあ、アイドルである以上みんな一定水準ですが)、その受け答えの様から、「この子いいなぁ」と徐々にファンになるとのこと。

 とまあ、2時間弱。以上のような話題で話し込んだわけですが、あれっ!? どうやら「イベント否定」の理由づけも、ちょっと異なるようです(笑)。それでも両者、アイドルとファンの関係についての考え方、最近のアイドルファン事情、アイドルの売り方など、根本的なところは認識を共有するものが多いのも事実。とても興味深く面白かったです。

 ということで、今回の議論を経て、わたしが一方的に理解したところを文章にまとめてみました。まだまだお互い納得できない点も多数。来月の2回戦(?)に期待です。